【タイトル】
『２回目の海 〜 グアム２日目にして最終回』
 
（前回までの粗筋）　グアムでウインドとビーチマットを堪能した。
 
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グアム。そういえば、そんなところに行ったこともあったなぁ。。。というぐらい 昔のことになってしまったような気がする昨今でありますが、みんな、渇根湯を飲んで いるかな？ということで、そろそろ記憶も薄れかけてきましたので、グアムのお話は今 日で最後にしようと思うんですけどね。で、２日目のプランでありますが、東洋ツーリ ストから配布された旅程表によりますと、「終日フリープラン 〜 オプショナルツアー でグアムの休日をお楽しみください」ということになっておりました。で、僕は面倒な ので１日目と同じ「オーシャン・ジェット・クラブ」のアイランド・パックという１５ ドルのツアーを申し込んでいたんですが、２日連続ともなると期待感、わくわく感とい うのはかなり希薄なものになってしまいますね。ま、世の中には「最初は痛いかも知れ ないけど、そのうちだんだんよくなるからね♪」という事例もあるようですが、概して 回数を重ねるにしたがって新鮮な感動が薄れ、次第にソソられなくなっちゃうものであ りまして、その日の朝の僕は「また“オーシャン・ジェット・クラブ”かぁ。。。」と 、かなり気乗りしない気分でありました。いや、２日続けて同じツアーを頼んだ僕が悪 いのであって、決してツアコンの裕子おねえさんが悪いわけじゃないんですが、「また かよ、裕子ぉ。。。」と愚痴のひとつもこぼしたいところでございます。ちなみに生八 つ橋の「夕子」は結構おいしいものなんですが、個人的には「おたべ」のほうがネーミ ングがオチャメで好きです。
 
で、その日の朝、目が覚めて部屋の窓のカーテンを開けると雨が降っていて、「あ ちゃー。。。」と思っているとほどなく雨はやみ、常夏の太陽が顔を覗かせ、とりあえ ず一安心でありましたが、雨がやんだところで“オーシャン・ジェット・クラブ”がソ ソられないことには変わりなく、いや、決して悪いツアーじゃないんですけどね。何も したくなければ浜辺で寝転がっていればいいわけだし、でもフロントの南方美人系のお ねえさんにまたしても「アナタ、“ばななぼーと”モ、“じぇっと”モ、シナイノ？」 と馬鹿にしたような口調で言われるだろうし、セイルはヘナヘナで、ボードにはフィン がなく、ブームはパイプがむき出しで持ちにくく、ぜんぜんまっすぐに進まないウイン ド道具一式が一晩のうちに改善されているとはとても思えず、５ドル追加して頼む弁当 のおかずは相変わらず焼き肉にチキンの焼いたのに肉料理が数種。あ〜ん、痛風になっ ちゃいそう。。。というメニューだろうし、昨夜の「渚のバーベキュー」が祟ったのか 朝からちょっぴり下痢気味だし。。。…と、考えれば考えるほど気分がブルーになって きて、で、とりあえず部屋のベッドに寝転がって同室の兄ちゃんが持ってきたらしいグ アムのガイドブックをパラパラとめくっていると、「ウインドサーフィンはホテル前の ビーチでもレンタルできる。」というようなことが書いてありました。そっかぁ。その 手があったかぁ。なにもわざわざ車で連行されて「オーシャン・ジェット・クラブ」… というのは長ったらしいので“ＯＪＣ”と略すことにしたんでしたっけ？で、その“Ｏ ＪＣ”まで行なかくたって、ホテルの前のビーチでレンタルすればすむ話だったんです な。ぼく、うっかりしてたぁ♪で、言われてみれば昨日からホテル前のビーチには一度 も行ったことがなくて、“ＯＪＣ”ツアーのピックアップまではまだ時間があるので、 ちょっと偵察に出かけてみることにしました。
 
ホテル・ウエスティン・リゾートはちょっと変則的な造りになっておりまして、大 通りから入ったロビーが５階ということになっております。ということは４階や３階や ２階や１階だってあるに違いなく、試しにエレベータで１階まで降りてみると、なるほ ど、その外がプールになっていたんですね。ぼく、ちっとも知らなかったぁ♪で、プー ルの外はもう海でありまして、そこには水上三輪車やカヌーが浮かべられているのであ りました。なるほど。これなら“ＯＪＣ”に比べても遜色はありません。ただウインド サーフィンのボードが見当たらなかったので隣のホテルのほうまで偵察に行ってみると 、おお、いかにも「マリンスポーツ器具のレンタル屋」とおぼしき木造建造物があるで はありませんか。沖に浮かんでいるのは相変わらず水上三輪車やカヌーでありますが、 レンタル屋の看板には「ウインドサーフィン（なんたらタイプ）１時間２０ドル」とい う文字が書いてありました。なんやぁ。。。わざわざオプショナル・ツアーを頼まなく ても、ここで借りればよかったんですな。１時間で２０ドルというのはちょっぴり高め ではありますが、その分、１５ドルで乗り放題の“ＯＪＣ”謹製へろへろボードとは比 べ物にならないほど高級でちゃんとした立派なものであるに違いなく、ただカッコして （なんたらタイプ）と書いてあるのがどういうタイプなのかよくわからなくて、いささ かの不安に駆られるイササカ先生。といった感じでありましたが、とにかくまあ、看板 を見てすっかり安心した僕は、ただちにこんなプランをたててみました。
 
（１） ま、頼んじゃったものはしょうがないので、とりあえず“ＯＪＣ”に行く だけ行く。
（２） 下痢気味の腹に「焼き肉にチキンの焼いたのに肉料理が数種」はツライの でやめる。
（３） “ＯＪＣ”を午前中で切り上げ、タモンに戻る。
（４） １時間２０ドルのウインドを２時間借りて、４０ドル払う。
 
うん、完璧ですな。というわけで、とりあえず“ＯＪＣ”に行くため、９時４０分 にお迎えのクルマに乗り込んだのでありますが、ウエスティン・リゾートからの参加者 はまたしても約１名でありました。運転手は昨日のコニシキ風の人ではなくて白人のお 兄さんだったので、「アンタ、マタ来タカ。。。」などと言われてブルーになるという 事態だけは避けられました。で、途中、昨日とは違うホテルに寄ってツアーの参加者を ピックアップ。昨日はヤングな兄ちゃん２人組でありましたが、今日はぺヤングなカッ プルが１組で、「けっ！」という気分になりましたが軽く挨拶するとギャル系のほうが それに応えてくれましたので、ま、ヨシとしておきましょう。が、車の中で交わされる ２人のぺヤングの会話はインテリジェンスに乏しく、再び「けっ！」と思っているうち に“ＯＣＪ”に到着。いつも略してばかりいるので、そろそろ「“ＯＪＣ”って何だっ け？」とか思い始めている物覚えの悪い読者のために念のために書いておくと、「オー シャン・ジェット・クラブ」。その略称でありますな。で、車から降りて“ＯＪＣ”の 建物に入ると、僕の顔を覚えてくれていた黒人スタッフの兄ちゃんに熱烈歓迎されてし まいました。どうせなら南方系美人のおねえさんに…と思いましたが、今日はお休みな のか、彼女の姿は見えませんでした。ま、「アナタ、“ばななぼーと”モ、“じぇっと ”モ、シナイノ？」と言われなくてよかったわけですが、ちょっぴり残念でありますな ぁ。。。で、２回目で、ここのシステムはすっかりマスターしちゃっている僕は、今ひ とつインテリジェンスに欠けるきらいのあるぺヤング達がスタッフのレクチャーを受け ているのを尻目にさっさとロッカーのキーを受け取り、Ｔシャツを脱ぎ、短パンを脱ぎ 、パンツを…あ、これは脱がなくてもいいんですな。で、すばやく海水パンツ姿になる と颯爽とビーチに降り立ったのでありました。水面にはロープで係留されたウインドサ ーフィンのボードが漂っておりまして、近づいて見るとやはり昨日とまったく同じ、ヘ ロヘロな出来ばえでありましたが、最初っからまったく期待はしてなかったので、特に 異論はありません。それに今日は午後から１時間２０ドルという、とっても高級なウイ ンド道具をレンタルするわけだから、午前中は時間さえ潰せればそれでいいわけであり まして。
 
相変わらずの強めの偏西風に乗って、へろへろボードは快調に…とまでは言えない までも、それなりには進みます。昨日１日特訓したので、ヘロヘロはヘロヘロなりに乗 りこなすコツを会得して、昨日よりは快調に進みますな。で、あらためて周囲を見回し てみたんですが、おお、誰もおらん。先ほどのぺヤングは「今から２人でバナナボート だねっ♪」ということでバナナ・コーナーのほうに行っちゃったのか、海にもビーチに も客の姿はまったく見当たりません。ここはホテル街からも離れているので一般の海水 浴客の姿もなく、まさに「グアムの海、ひとりじめ状態♪」でありました。うーん、贅 沢♪…ということも出来ますが、ちょっぴり寂しいのも事実でありまして、ではスタッ フはどうしたのかと言うと、「今日は客がいなくて、やる気しねぇなあ。」というので 、部屋の中でサボっているのでありましょう。いいもんねー。ぼく、一人で遊んでるも んねー。で、しばらくするとバナナを満喫したらしいぺヤングも戻ってきて、１０時台 のバスで到着したらしいツアー客の姿も見えるようになり、ようやく賑やかになってき たなぁ。と感慨に耽りながらビーチで寝そべっていると、いきなり上のほうから声をか えられました。
「オ客サン、ウインド、上手ネ！」
振り向くと、いつの間に来たのか例の南方系美人のおねえさんがニコニコと笑って おりました。僕はどう答えていいかわからず、ドギマギして、
「ええ、まあ。。。」
と答えて、あとは日本人的な曖昧な笑顔を浮かべるにとどまったわけですが、何は ともあれ僕は「“ばななぼーと”モ、“じぇっと”モ、シナイノ？」の人から「ウイン ド、上手ネ！」のお客さんに昇格したわけでありまして、それだけでここにもう一度来 ただけの甲斐はありましたなぁ。
 
結局、１時前までウインドをして引き上げることにしたんですが、フロントの南方 系美人のおねえさんにロッカーの鍵を返すと、
「昨日、初メテ“ういんど”シタノ？」と聞かれたので、
「いや、うちでちょっと。。。」と答え、
「今日ハ、モウ帰ル？」と聞かれたので、
「うん、今日はもう帰る。。。」と答え、
「オ疲レサマ、デシタ〜♪」と労をねぎらってくれたので、曖昧な笑顔を浮かべて 黙ってうなずき、楽しかった「オーシャン・ジェット・クラブ」に別れを告げたのであ りました。いや、今から思えば「もうちょっと気の効いた会話は出来んかったんか！？ 」と反省しきりでありますが、いや、シャイで無口な僕にはこれが精いっぱいだったし 、南方系美人のおねえさんにも僕の心だけは通じたことでありましょう。
 
で、午後からは「本日のウインド、第２弾」であります。ホテルの前で“ＯＪＣ” の送迎車から降り、そのままビーチに直行してみると…、おお！海にはちゃんとウイン ドサーフィンのセイルらしきものが浮かんでいるではありませんかぁ。僕はさっそくレ ンタル屋に行って、「ういんどさーふぃん、れんたる２時間、ＯＫ？」と発注しようと して、ま、とりあえずボードの様子を見てみよう。。。と思い直し、ザバザバと海の中 を歩いていったんですが、おお！なんじゃこりゃ！？そのウインドサーフィンは足漕ぎ 式ペダルボートの胴体のようなものにウインドのセイルを付けたようなシロモノであり まして、なるほど、これならバランスが取りやすくて、初心者にも安心だねっ♪これが 例の（なんたら式）というヤツなんですな。どうも何だか嫌な予感がしてたんですが、 こういうわけだったんですな。しかもよく見るとセイルは真ん中の部分が破り取られて いて、「これならセイルが軽くなって、簡単にセイルアップも出来て、初心者にも安心 だねっ♪」という、実に親切な造りとなっておりました。僕はがっかりしてその場を立 ち去ったわけでありますが、そうとわかっていれば「オーシャン・ジェット・クラブ」 に、もうちょっと長くいればよかったですなぁ。。。
 
ということで、あ、思い出した。「オーシャン・ジェット・クラブ」での出来事な んですが、例のぺヤングのうちのギャルのほうが１人でビーチに座っているところにス タッフのお兄さんがやってきて、写真を撮ろうとしてたんですけどね。「１人？」と聞 かれた彼女が「ふたり〜。」と答えると、スタッフのお兄さんは近くを歩いていた僕の ほうを指さして、「彼？」それを見た彼女は、ものすごぉ〜くイヤそうな顔をして、激 しく手を左右に振って必死になって否定しておりました。そこまで嫌なんかい！？
 
恋人岬から見た海の青さが胸にしみた、グアム３日間の旅でした。
 
（おしまい♪）

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