『ヴァイブにおける三大テーゼについて（その１）』

『ヴァイブにおける三大テーゼについて（その１）』

　今回から新連載開始です。アーネット昆布（関東支部正会員）さんによる日本塩サバ学会紀要論考「ヴァイブにおける三大テーゼについて」。めんどうだから特にコメントは加えず、原文のまま発表します。

　えー、本日はお日柄もよく、塩サバ１号様からJazz Giantジャケ絵原画プレゼントされたのを記念に（あんまりたいした記念じゃないナ）、常日頃思い抱いてる〈ヴァイブにおける三大テーゼ〉という高尚な概念について若干の考察を披瀝してみたいと、まあ、コノー、ひとつこんなふうに考えてみるのもやぶさかでもない気がしないでもないと言ってしまって構わないと結論しちゃっていッスかぁ～、と、かように思うわけです。うーむ、この歯切れのいい自信に満ちた言い切り方、しょっぱなから今後の鋭い論理の展開を予期させるのに十分な出だしだなあ。

　で、そんな、いきなり〈ヴァイブにおける三大テーゼ〉って言われてもぉ、あたし、うち取手だしィ、いま出ないと終電なくなっちゃうしぃ、ここんところ帰りが遅いってパパ怒ってるしぃ、とお思いになるかもしれませんが、まあちょっとお待ちなさい、娘さん。なんでヴァイブかっつーとだね、昆布の俳句のご褒美にだね、塩サバ先生が送ってくれたジャケ絵三枚のうち、一枚がボビ・ハチ「スティック・アップ」、もう一枚がエディ・コスタ「ガイズ・アンド・ドールズ」と、ヴァイブものが二枚あったのだよ（あと一枚は童顔ウィレちゃんの「フェイス・トゥ・フェイス」よん）。うれしかったなあ。特にエディ・コスタね。アルバムの正式タイトルは「ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス」。和訳すると「野郎どもと女たちはヴァイブが好きっ！」。いいなあ。♪おんなの子ならー、お金持ちでもー、そーでなくってもー、スウィンギーでノリのいいヴァイブがっ好っきぃ～、♪そんな君が好きなのさぁ～（←マツモトキヨシの節で歌ってね）。どうです、この論理的必然性！

　女人なおもてヴァイブを好む、いわんや邪頭狂（ジャズファン）をや。いやー、昔の人は実にうまいことを言いますねえ。たしか親鸞上人でしたっけ、言ったのは（← 言ってません[東本願寺教務部]）。というわけで、女の子はヴァイブ好き、そんな君が好きなのさ～なのがオトナの魅力あふれるジャズファンのオ・ジ・サ・マ（きゃっ、しぶぅーい！）。ゆえにジャズファンはすべからくヴァイブが好き。以上証明終わり（C.Q .F.D.）。うむ、完璧。

　では、水をも漏らさぬ緻密な理論武装が効を奏して、紳士淑女一同の賛同が得られたところで、ズブッと核心にいっちゃいましょうかね、〈ヴァイブにおける三大テーゼ〉。

　しかし、ここまでの文章、自分で読み返してみても、さわやかさのかけらもないいやらしい中年オヤジ的な濃い味がでてるなー。昆布、尿酸値の高いオッサンの塩サバ１号さんなんかと違って、まだ健全な２０代なのにぃ。この前も清里行って青空の下でテニスなんかしちゃったりしてぇー、チョー楽しかったっていうかぁ、また行きたいっていうかぁ、清泉寮のソフトクリームも美味しかったしぃ、みたいなぁ、これぞナウなヤングならではイカス夏休み、バリバリ全開、夜露死苦、ナメんなよ、というようなことをやっておったわけなのだね。

　ふう。若者っぽくふるまうのも楽じゃないなあ。すいません。うそついてました。清里行ったけど、前の晩の深酒がたたって、若い衆がテニスしている間ソファーで寝てました。ソフトクリームも食べてません。そんな毛唐の女子供の食いモン食ってられるけぇ、こちとら江戸っ子でい、ラーメンライス持ってきやがれ、ってんで、実際には佐久で馬刺しと鯉を食べてました。なんでも鯉は「肝が最高の良薬」「肝臓病には

最高の食品」「ウロコも有用、強壮効果も」「リウマチや痔にも」「糖尿病、皮膚病にも」「胃潰瘍の抑制効果がある」「腎臓病によるむくみを解消」だそうですよ（ぐるめ鯉勝パンフレット「佐久鯉の滋養―そのエキスの効能―」より）。そろそろGPT、GO T値が気になりはじめるお年頃のおしゃれな中年にはまさにうってつけの食品。１号様もいかがですか？

　あ、これでは話が一向に進みませんね。何が言いたかったかというと、モダンジャズでヴァイブというとミルト・ジャクソンの存在が大きすぎて、他のヴァイブ奏者があまり聴かれてないという状況があり、また個人的にはそれほどミルト・ジャクソンが好きでないこともあって、わたし好みのヴァイブの条件について説明しつつ、具体的にミュージシャン、アルバムの紹介でもしていきたいというのがこの文章の趣旨なのです。ということで、まずは〈ヴァイブにおける三大テーゼ〉から。

テーゼ１：ヴァイブは硬く、太く

テーゼ２：ヴァイブのモーターは使いよう

テーゼ３：ヴァイブで盛り上がるとウメキ声が出ちゃう

うーむ。この三つの命題がそのまま適用される分野が他にもあったような気がする。それがなんだったか、なぜかいま急に思い出せない。なんとなくあっち方面に関係あるんだったかなー、という気もするが、あっち方面とはどの方面か、二百字以内で簡潔に述べよ、といわれても、こっちではなくてあっちの、どっちかというと上とは反対の下の方だったかなー、というようなことぐらいしかわからない。マ、いーじゃないの、細かいことは。

と、深い謎を秘めたまま、〈ヴァイブにおける三大テーゼ〉、ではテーゼ１「ヴァイブは硬く、太く」から説明していきましょうかね。おっと、いま文字数をカウントしてみたら、大体一回分の目安として塩サバ本家にならって想定していたA4一枚分の分量などとっくに超過しているではありませんか。ということで、以下次回。

　　　　　（つづく）

だって。文章全体に品がない。「よい子のためのニコニコ健全サイト」にふさわしくない。といった意見がございましたらどしどし掲示板に書き込みしてくださいね。あと、俳句１０数句＋原稿投稿というアーネット昆布氏の業績をたたえ、そろそろ塩サバ１０号に認定しようかとも思うのですが、いかがなもんでっしゃろ？ご意見、お待ちしております。

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