怖い話

【タイトル】: 怖い話
【著　　者】: 片桐常夫
【ジャンル】: 怖い話
【ガイド】: 怖い話は好きですか？僕はけっこう「あ、あたし…、そこは弱いのぉ。」というような「弱い話」は好きでありまして、あと、ウンコ系の「汚穢（おわい）話」も嫌いじゃないし、とってもすけべな「卑猥（ひわい）話」もいいと思うんですが、「怖い話」というのにも興味を持っておりまして。で、例のごとく電子書店のサイトを覗いていてこの『怖い話』というのを見つけ、きっとつまらんだろうなぁ。。。と思いつつも、ついついダウンロードしちゃったわけなんですけどね。で、読んでみたら案の定たいして面白くもなかったんですが、なんだか悔しいので１回分の原稿をでっちあげておきます。タダじゃなかったしー。; 　「怖い話」には大きく別けて２種類ありまして、それは「本当にあった怖い話」というのと「いかにも嘘っぽい本当にあった怖い話」の２つのタイプなんですが、「いかにも嘘っぽい」ほうは幽霊絡みであることが多いですね。ハワイに行ったら首からレイをぶら下げた霊が出ただとか、スイスに行ったらヨーデルを歌う幽霊が出て、ユ～レイヒ～♪と歌って消えちゃったとか。もう、書いてるほうも読んでるほうも嫌になっちゃうほどのくだらなさでありまして、その点「本当にあった怖い話」は、そういうことって、もしかしたらあるかもね？シカゴのギャングはアル・カポネ？と言ったリアリティさがあって、けっこう恐いものがありますよね。で、この『怖い話』という本は「本当にあった怖い話」について書かれたものらしく、その点ではちょっぴり期待してたんですが、例えば最初に書かれているのは「清涼飲料水の秘密」という話なんですけどね。; 　食べ物・飲み物にまつわる噂話というのはけっこうあって、もっとも有名なのは「“す○きや”のラーメンは蛇でダシを取っている。」という奴ですよね。「そんなん、嘘に決まってるやん。」という懐疑的な意見に対しては、「嘘ちゃうて。この前“すが○や”の裏にヘビの骨が落ちとったもん。」という目撃証言が出され、「そういえば “どさん娘”のラーメンよりもヘビーやよなぁ。」などと言い出すコドモもいて、結局のところ「“○がきや”のラーメンがヘビーなのは、ヘビが入っているからである。」などというワケのわからん結論が導き出されるわけでありますが、ま、ワケのわからん白濁スープを作っちゃった“すがき○”の側にも問題はあるんですけどね。確かに白いヘビでダシをとると、あんな色のスープが出来ちゃいそうですもんね。あと「コーラを飲むと骨がとける。」とか「明○の“カ○ミン”を食べると結石になる。」という話もあって、「それが証拠に“カル○ン”好きのかれい技師は結石のため救急車で運ばれた。」という事例も紹介され、「腸炎にもなった。」「肩もはずれた。」というので、そのうちに「“カルミ○”を食べると脱臼する。」という話になり、それがどこでどう間違ったのか「テルミンを演奏すると卓球がうまくなる。」という話になって、卓球の試合の前にテルミンの音色が鳴り響いたりするわけです。怖いですねぇ。（←どこが？）; 　で、「清涼飲料水の秘密」のお話。まず最初に「マンションなどの集合住宅の屋上にある給水塔は汚い。」という話が出てきますが、これは本当です。本当に汚いです。サビが浮いているなんていうのは当たり前で、場合によってはワビだって浮いおります。ヘビだって浮いているかも知れませんね。で、「清涼飲料水の秘密」なんですが、作業員が１週間ほど行方不明になり、探したら凄涼飲料水のタンクの中に浮いておりました。そんだけ。という話です。ま、よくある話ですよね。先程のマンションの給水塔の場合だと、はずみで首を締めちゃって始末に困ったマントル嬢の腐乱死体が浮いてたりします。蛇口から長い髪の毛が出てきたりするのはたいていそういう理由によるものです。以下、「姿を消した文鳥」「最後のひとひねり」「不運な犬」「叔母の最後の贈り物」と、ま、そういうこともあるかも知れないね。といった話が続きますが、全体的にたいしたことはありません。; 　第２章「世にもゾッとする話――無言の脅迫」。世の中にゾッとする話というのは確かにありまして、僕なんかリゾットを見るとゾッとしちゃいますね。で、第２章に入った途端、急に話が幽霊絡みの「いかにも嘘っぽい本当にあった怖い話」になっちゃいまして、いまひとつ了見のよくわかんねぇ本やなぁ。。。という１冊なのでありました。おしまい。; | Previus | | Up