『テーマパークを作ろう』
　「テーマパーク」というゲームがありますよね。遊園地を作るシミュレーション ・ゲーム。今回はこのゲームをプレイしながら、その進行情況をレポートしたいと思い ます。なお、使用したハードは「プレイステーション」です。
　　このレポートを作成するにあたり、私にはあるたくらみがありました。このゲ ームで設置できるものの中に「トイレ」というのがありますよね。そこで私はトイレば っかりのテーマパークを作ろうと思ったのです。パークの愛称を「トイレ・パーク」に するか、それとも「ザ・トイレ」にするべきか、ずいぶん思い悩みましたが、よく考え たらそんなもんはどっちでもええので、「ザ・トイレ」のほうにしておきました。本名 イナバユウジ、ニックネームはザ・ベンキ。我ながらアホですね。ゲームレベル「初級 」、お客さんの気分「うきうき」、スタート資金「多い」、ライバル数「なし」、ライ バルレベルを「手ごわい」とします。ライバルなんかいないので、そのレベルが手ごわ かろうが、総会屋だろうが、なんでもいいのです。日本人の心境としては日本にトイレ を建設したかったのだが、購入価格が２千万とむちゃくちゃ高い。単位は多分ドルだろ うから約２５億円。最初の資金が５０万なので、ちょっとばかりお金が足りない。しか たなく購入価格が０のイギリスから始めることにします。なぜイギリスがタダかと言う と、イギリス人が作ったゲームだからです。では建設にとりかかりましょう。
　まず道路を敷設して、続いてこのパークのメイン施設であるトイレを設置します 。「粗末な木造トイレ。作りも至って簡単なので、不潔になりやすく、臭います。」と いう立派なトイレです。これを８×４＝３２個作りました。さあ、完成です。パークを 開園しましょう。
　さて、「ザ・トイレ」はどうなったでしょう。結論から申し上げます。客が一人 も来ませんでした。バスが来ることは来るんですが、バスからは一人も降りてこずに、 そのまま立ち去ってしまいました。トイレの数が少なすぎたのかも知れん！反省した私 は一度パークを閉鎖してトイレの増築に従事しました。トイレ総数９６。イギリス広し と言えども、これほど充実したトイレ（しかも臭い）はちょっと他に類を見ないでしょ う。リニューアル・オープンして客の到着を待ちましょう。
　結論を言います。やっぱり客は来ません。なにが悪いと言うのだ。入場料を取る テーマパークでありながらトイレしかないからか？（←そうだ。）なんか、一生懸命書 いているのに誰も読んでくれないホームページの作者みたいな気分になってきました。 しかたなく私は悪魔に魂を売り渡し、トイレ以外のアトラクションの建設を決意したの です。バウンシーキャッスル。「手始めはまずこのへんから。お値段のわりにはお得な アトラクション。特殊ゴム製でお掃除もラクラク。壊れやすいので要注意！」興奮度： 低め、耐久性：最低、設置費用：２００。これを設置したとたん、ついに待望のお客様 がやってまいりました。総勢９名くらい。ありがたいことです。本年度決算。収入１１ ５０、支出７万４７５０。大赤字やん！
　しばらく様子を見ていたら、園内の客がいつのまにか１人になってました。そし てその唯一の客も帰ってしまいました。いかん。もうひとつバウンシーキャッスルを増 設しよう。と思ったら、いつのまにか前に作ったバウンシーキャッスルが消滅している 。うーむ、よくわからん。そうこうするうちにバグったのか、操作不能になってしまっ た。しかたない、リセットだ。
　そうか、わかった。チュートリアルというのを「はい」にしたもんで「ガイドツ アー」という練習モードになっていたのだ。それで思ったところにアトラクションが設 置出来なかったんだな。最初からやり直しである。トイレ・パークという企画は失敗だ ったことが明らかになったので、今回はまずバウンシーキャッスルを設置することにし た。今度は開園前からいきなり客が並んでいるではないか。８人も。しかしいつまでた っても開園しないもんで、やってきたバスに乗って４人帰ってしまった。いかん。さっ そくオープンせねば。トイレも６個ほど作り、リンゴの木やバラも植えて、堂々たるテ ーマパークの完成だ。あ、そうそう。今回のパーク名は「サバッチ」です。
　バウンシーキャッスルは長蛇の列。バスも次々と到着して「サバッチ」は大盛況 です。バウンシーキャッスルというのはイベントなんかの時によく見かける「ネッシー 」みたいなものだと思う。ぴょんぴょんとトランポリンみたいに跳びはねるヤツね。よ く見ると４０歳くらいのオッサンが一人で並んでいる。いい歳してこんなもんで遊ぶな ！と言いたい。と思っているうちに、いきなりバウンシーキャッスルが煙を噴き出した 。子供が一人、煙りに燻されて燻製になりかかっているのだが、それに動じるふうもな く楽しそうに遊んでいる。デキた子供だ。しかし関心している場合ではない。メカニッ クを雇って修理させねばならない。さっそくメカニックを現場に急行させたのだが、こ いつは目の前で遊具が煙をあげて子供が燻されているというのに、道路に座って弁当を 食いはじめた。人間的に重大な欠陥があるとしか思えない。しかたないのでコッケーク ンというのを雇った。ニワトリみたいな格好のヤツだ。みんながコイツに目を奪われて いる隙に、遊具が燃えたという重大事故をうやむやにしてしまおうという魂胆である。 そうこうしているうちに弁当を食い終わったメカニックがようやく修理にとりかかり、 事なきを得たのであった。
　と思ったのもつかの間、バウンシーキャッスルがまたしても煙を出しはじめた。 燃えすぎや、いくらなんでも。メカニックは今までの生活態度を反省したのか、今度は 直ちに修理にとりかかった。本年の決算報告。収入７４５０、支出４８００。２６５０ の黒字である。３３万１２５０円。月収２万７６００円！これは儲かる。
　大幅な黒字に気をよくして、積極経営に転じることにした。トイレの大増設だ。 ９０個のトイレを増設した。すると例のメカニックがトイレのすぐ前で弁当を食いはじ めるではないか。やはりこいつにはなにか重大な欠陥があるとしか思えない。本年の決 算報告。（この文章を書いているうちにすぐ１年たってしまう。）収入２万２０００、 支出１２万４３００。トイレの増設費用がタタって、大幅赤字である。
　思いきって「コーヒーカップ」を増設。この前バウンシーキャッスルに来ていた ４０歳くらいのオッサンが早速並びにくる。いくつになっても遊び心を忘れないファン タジーなおじさんだ。と思っていたらコーヒーカップもすぐに煙を吹きはじめた。その 修理中にバウンシーキャッスルがまたしても炎上。メカニックを一人増やす。コーヒー カップの修理は完了したが、順番待ちをしていたガキが、何故かいきなり点滅しはじめ た。悪い病気か？よくわからないのでとりあえず放置することにする。決算報告。収入 １万３７５０、支出１万１０５０。かなり赤字は縮小された。収入も減ってるけど。
　客の頭にハンバーガーがのっかりはじめた。何か食いたいというサインなのだ。 わかりやすい人種だ。そこで早速飲食店を設置することにした。ウォーリーアイス、ビ ッグフライポテト、ドンキーコーラ、ビッグバーガー、コーヒーショップの５店舗。マ クドナルドがひとつあれば、それですべて用が足りるような気もするのだが。飲食店を 作ったらトイレの水を流す音が聞こえるようになった。このパークには総計９６個のト イレがありながら、今まで数年間は一度も使われていなかったのだ！決算報告。収入２ 万４７６８、支出４万とんで２０。店の作りすぎか。
　ゲーム中、下のところに「入場料が安い」だの「コーラが高い」だの、色々なコ メントが出てきます。そこについに、恐るべきコメントが出てしまいました。 「おもしろさが少し不足していると思います。」 それを言っちゃあ、おしまいだ。

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