『塩サバ１号のハワイ日記（その10）』
（前回までのあらすじ）トロピカル・マリン・スポーツが終わり、ワタクシと謎の 女は再会を期して別れを告げたのだった。
　ハワイ日記もいよいよ（その１０）に突入しました。全国各地でだいたい３０人 くらいのヒトが読んでくれているようですね。大ベストセラーやん。本にして１冊１０ ０円で売れば、印税が５％だとして総額１５０円の儲けやん。ますますヤル気が出るな ぁ。
　さてトロピカル・マリン・ツアーを終え、ホテルのレストランで夕食をとり、部 屋のテラスでジャズなどを聴いていると「射撃」へのお誘いがきました。行きました。 えーと、まずですね、「弾の詰め方」がビデオによって講習されます。これはどんな講 習会でもそうですね。まず、ビデオとか映画とかスライドとかを見て全体の構成を把握 しておいて、それからテキストを用いた座学、昼食、実技講習、質問のコーナーという 進行となります。最後の質問コーナーは、「そんなこたぁ、どーでもええ！早く帰らせ ろ！」と誰もが思っているから、まず誰も質問しませんね。中には「妙に向学心に燃え たおっさん」とかがいたりして、ややこしそうな質問をして参加者をイラだたせたりす ることもありますが。そんなこたぁ、どうでもええ。早くハワイの話しろ。
　で、そのビデオというのは説明が英語だったので、当然の如くさっぱりわかりま せんでしたぁ。でもまあ、「わからんよう。なんとかしてくれよう。」という、救いを 求めるよーな眼でガイジンの兄ちゃんを見つめていると、近付いて来て全部かわりにや ってくれるのでだいじょうぶです。困ったときは熱っぽい眼で見つめろ！ですね。誤解 されてアヤシゲなところへ連れていかれても知りませんが。使用するピストルは３種類 。レンコンの穴に弾をつめるタイプとマガジン式のタイプとライフルみたいなタイプ。 それぞれ１ダースずつ、計ファラオ・サンダースの弾をまるいマトめがけて撃つ。ど真 ん中の１０点を最高に、端っこにカスれば１点、カスりもしなければ０点。で、撃ちま した。３６０点満点で３２点。優秀ですねぇ。参加者中、女の子を含めてサイテー点。 だってヤル気なかったんだもん。僕、平和と平和寿司の並寿司を愛する平和主義者なん だもん。麻雀でも平和以外ではアガらないんだもん。桑名にあるんだよな、平和寿司。 家の裏には桑名寿司というのもあるけど。いなり寿司をヒジョーに苦手としているので 、嫌がらせに「いなり寿司１０人前！」とか注文しちゃいましょうね。というくらい近 所の人との和を大切にしている若手穏健派なのです。ピストルとか銃とかガンとか鉄砲 とか「労働１号」とかはよくないです。忘れるな、ルクソールの悲劇を。あと、ハロウ ィンの日に間違って撃たれちゃったナントカ君の悲劇を。名前忘れちゃったけど。忘れ るな、宿題を。忘れるな、体操服を。弁当忘れても傘忘れるな、北陸へ行く時は。財布 忘れても傘忘れるな、というバージョンもあるんですが、財布あったら店で傘を買えば ええやん、とコドモ心にも思いました。コドモにツッこまれるようでは立場ないやん、 ということで「弁当」に変わったんでしょうな、たぶん。
　で、ルクソール。塩サバ２号がぜんぜん「ラスベガス日記」を更新しないので書 いちゃいますが、あの事件があった時、塩サバ２号はちょうどラスベガスへ行ってたん ですよね。で、そのラスベガスにはピラミッドの形をしたホテル（スフィンクス付き） があるんです。そのホテルの名前が「ルクソール」。ルクソールで日本人が撃たれた、 というニュースを見た時はちょっとビビりました。犯人ちゃうかと思って。
　さて、有意義な射撃の時間が終わって、寝て、起きて、目が覚めたら次の日の朝 でした。北海道郵便局員太郎・次郎との再開を果たすため、７時前にホテルの部屋を出 て、付近を散策。待ち合わせ場所は「どこかそこらへん」。男同士の約束は細かいこと 言わないのである。別にどーでもええしぃ。案の定、あたりを３往復ほどしてみたが発 見できなかったので捜索隊は直ちに解散、目標を「謎のオンナ」に変更した。で、ビー チのほうへ歩いていったら北海道郵便局員太郎・次郎（長ったらしいので以後、北海太 郎・次郎と略す）を発見、やむを得ず行動を共にすることにしました。
　ワイキキではウインドサーフィンは出来ないようだが、そのかわりに普通のサー フィンは「お盛ん」なようで、サーフボードのレンタルも結構ありました。当時２５歳 で、まだチャレンジ精神とヤンキー・スピリッツに満ち溢れていた私は２時間で１２ド ルという大金をはたいて借りてみることにする。ウインドサーフィンの場合、ボードは 大きいほど乗るのが簡単なので、普通のサーフィンでも一緒やろと店にある一番デカい ボードを借りてみました。値段はどれも同じやから大きいほうが徳！という「舌切り雀 の欲張りばあさん」的発想もあったし。ウインドも普通のサーフィンも同じようなモン やん。ぼく、「トロピカル・マリン・スポーツ」では華麗にウインドを操って、簡潔明 瞭をポリシーとするコーチからも「オー、アナタ！日本ノ有名ナ“さーふぁー”？」っ て言われちゃったんだもんねー。という私の自信と希望的観測は、開始してわずか数分 で完膚なまでに打ちのめされました。あかんやん。１秒も立ってられんやん。いやー、 想像を絶する難しさでしたねー。とても人間に出来る技じゃございません。結局、１時 間延長して３時間ほどやってみたんですが、「ボード上・直立不動滞在時間」は瞬間最 長で１．７秒、トータルで１２．８秒くらいだったのではないでしょうか。北海太郎・ 次郎も似たようなもんだったから、シロートが簡単に出来るシロモノではないというこ とでしょう。
　さて、北海太郎・次郎は「昼からサブマリンのツアーに申し込んでいる。」とい うことで、私のもとから去っていきました。以後、２人の消息を知るものはおりません 。やっと自由の身になった私は「謎のオンナ」捜索活動を再開したんですが、結局は発 見することは出来ませんでした。この「謎のオンナ」の消息を知るものもおりません。 というわけで、昼からはひたすら甲羅干し。いやあ、さすが本場ハワイの直射日光は強 烈ですねぇ。砂浜に寝転がっていると、気分はまさに「日本ハムの直火焼きチキン」。 「濃い日焼け用」のコパトーン（キャラメルコーンの香りタイプ）を塗って１２時から １７時まで焼いていたら、ほとんど「あんた、どこの国のヒト？」状態。日本に帰って 名古屋駅から桑名駅まで近鉄乗ってたら、みんなにジロジロ見られたもん。今ではすっ かり黒さも抜け、「オー！アイ・アム・ア・碧眼のアングロサクソン系！」だけどね。
　というわけで、ハワイ日記、次回に続きます。今度は会社の女の子＆おっさんで イタリア・レストランに行った話などを。簡潔間近か、オーストラリアは近い。ではま た。

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