『 ARE YOU 鮎?』

ヤナ全景 水辺に佇み



 ヤナに行ってまいりました。いや、塩サバ物産(仮名)岐阜営業所の親睦事業として「ヤナ鵜飼、どちらか好きなほうを選べ。」という回覧が回ってまいりまして、「どちらにもまったくソソられるものを感じないんだけど、鵜飼は去年見たことだし、どちらか選べということであれば、ヤナやな。」と思ってヤナのほうにデータ印を押しておいたんですけどね。で、回覧が事務所内を一巡した時点で集計結果を確認したところ、やはり鵜飼は不評だったようで、ヤナのほうにハンコを押している人が多かったんですが、それに負けず劣らず目立っていたのが“鵜飼”と“ヤナ”の欄外のところに、勝手に“欠席”というコーナーを作ってハンコを押している人たちの姿でありまして。「ハメられた。」と思いましたね。僕はてっきり強制参加の会社行事だとばかり思っていたから、泣く泣く消去法で“ヤナ”のほうを選んでおいたというのに、勝手に“欠席”の欄を捏造するとは、なんて強引な輩なのでありましょう。僕より若い奴らは全滅でしたからね。最初のほうに回覧が回ってきたので、とてもそこまで悪知恵が回りませんでした。けしからんことだと思います。が、結局のところ所長命令によってほとんどの従業員が強制参加を余儀なくされ、やはり「世の中に、悪が栄えた例(ためし)無し。」だなぁ。…ということを実感した次第でありますが、そんなことでまあ、ヤナに行ってまいりました。場所は洞戸村というところにある板取川です。長良川の支流のようです。東海北陸道の美濃インターから車で約20分。岐阜市内からだと45分くらいでしょうか。桑名からだと岐阜羽島から高速に乗って1時間45分。…といったところです。

 で、ヤナです。ヤナというのはどういうものなのかというと、写真左のようなものです。川の流れに沿って竹組みを作っておいて、泳いできた鮎を捕獲する。…といった漁法でございます。ただここに設置されているのはあくまでも“観光用”でありまして、まともに鮎を捕獲しようなどという気はさらさらなく、台風で増水した時にぼーっとした鮎が1匹でもかかったりすれば、ラッキー。…といった程度のヤル気のなさで横たわっておりました。無論、ヤナの上に鮎などかかっておりません。上流から“流しソーメン”みたいに鮎を流して、客に捕まえさせる。…といったパフォーマンスも行われてない模様です。ただ、コドモ向けの“おさかな・つかみ取り遊び”みたいなスペースはあるようです。写真右をご覧下さい。河原におじさんがひとり佇んでおります。会社で何か嫌なことでもあったんすかね?部下がちっとも言うことを聞いてくれず、勤務時間中にホームページの原稿ばかり書いているとか。ま、いずれにせよ、このおじさんの横のところに川の流れをせき止めた一角があって、そこが“つかみ取りコーナー”になっている模様です。どちらかと言うと鮎料理を食わせることに主眼の置かれたヤナ場であるようです。

 鮎、食いました。僕は元来、鮎などあまり好きではないんですが、鮎以外に食うものがないので仕方がありません。あ、ヤナ場の駐車場のところにマツタケ屋が出店しておりまして、所長と常務と相談役の好意によって焼きマツタケにもありつきましたけどね。で、鮎料理フルコースのメニューは、甘露煮、塩焼き、魚田にフライ、雑炊、刺身にフルーツ付きで5000えん。うちの会社の部長が洞戸村の住民で観光ヤナ株式会社の役員をやっている関係で、500円だけ割引になった模様です。オマケも付いてました。シシトウとシイタケは標準メニューなんでしょうが、骨の唐揚げ鮎の卵の煮付けなんかがサービスで出されました。鮎はナマのものが串に刺された状態で提供され、4人掛けの座卓の上に設置されたガス式鮎焼き器で焼いて食べるシステムになっております。塩をぶっかけて塩焼きにする、あるいは素焼きして、あとで味噌をつけて食べる(魚田)、もしくはナマのまま噛りつく…という3つの調理法が考えられますが、4000円以上のコースだとあとでちゃんと“刺身”というのが出てきますので、敢えてナマのまま噛りつく必要もないような気がします。で、この“刺身”というのが絶品でした。身は薄くスライスされ、お皿にはちょん切られた頭の部分がデコレーションとして上を向いた形で載せられていましたが、そいつが10秒に1回くらいの割合で「ぐわぁ。」と口を開けておりました。これだけバラバラに切り刻まれても、まだ生きてるんですなぁ。。。同じ水産系の仲間としてちょっぴり傷ましい気分になりましたが、柑橘系のさっぱりしたフレーバーの刺身は癖がなくてとっても美味でありました。素焼きした鮎をほぐしてゴハンに載せて、ダシ汁をかけて食う“鮎雑炊”も美味でありました。僕は基本的には雑炊嫌いのヒトなんですが、これはいけました。ただ、サービスでいっぱい生アユを持って来てくれたのが祟って、塩焼き4匹&魚田1匹というのは、さすがにちょっとうんざりしちゃいましたけどね。

 以上、ヤナ、意外と悪くなかったなぁ。…というのいが率直な感想でありますが、いや、来年、もし「Are you 鮎?」と聞かれたりしたら、とりあえず“欠席”のところにハンコを押しちゃうかも知れませんけどね。ということで、おしまい。

( おしまい♪ )


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