続いては昭和新山です。元々のどかな畑だったところがある日突然、ムクムクと隆起し始めて、600日余りで標高400ｍくらいの新しい山になってしまったという、そういうところだったりするんですが、その新しい山が誕生する様子はですね、 ここ で見ることが出来ます。近くの郵便局のおっちゃんが観察記録を付けていたらしいんですが、これを見ると武田信玄の “動かざること山の如し” も、今ひとつ嘘っぽく思えてしまいますよね。めっちゃ動いてるやん、山！　ま、垂直方向に伸びただけの話で、位置的にまったく動いてないのは確かなんですが、それにしても、けっこう無茶なことをしてくれましたな、昭和新山も。　周囲の山々からすれば、まったくの新参者ということになろうかと思うんですが、それをまったく感じさせない堂々とした山容です。野中ともよなんかよりも、三洋電機の代表取締役会長に相応しい山容だという気がするんですが、ちなみに、郵便局のおっちゃんだった三松クンが元は畑だった土地を購入したんだそうで、今でもこの山は三松家の私有地なんだそうです。　年々、地面が冷えるにつれて縮んでしまって、今では残念ながら標高も400ｍを切ってしまっているようですが、見るからに、ただ溶岩が隆起しただけやん！…という感じがして、いいですなぁ。

　で、この昭和新山にはですね、クマ牧場があります。新しい山と熊。　あまり接点は無さそうなんですが、とりあえず山のほうにいくと、わりと飼育されていたりしますよね、クマ。　三重県の御在所岳にもあるし、岐阜県の奥飛騨のほうにもあるんですが、愛知県にあるという話は聞いたことがないので、概ね、３県に２県くらいの割合で存在するもの。　僕はクマ牧場をかように認識していたんですが、調べてみたら北海道に４ヶ所、秋田に２ヶ所、岐阜と三重と熊本に各１ヶ所。全国で合わせても１０箇所に満たない、わりとレアな娯楽施設であるようです。動物保護団体の評判もあまりよろしくないようなんですが、観客による餌やりというのが、どうも置きに召さないようでありますな。　ここ昭和新山のクマ牧場も入口のところで観客が熊ビスケットのようなものを購入して、それを上のほうから投入するというシステムが取られているんですが、これが楽しいっ♪　めっちゃ楽しいっ♪　ま、僕は自分では餌を買わず、他のみんなが自費でクマに施しを与えている現場を横からカメラで写していたんですが、クマたんの仕草がめっちゃ可愛いんですよね、これがまた。　愛想のいいクマに観客が集中するので、クマ側としても生きていくために自然と芸を身に付けるんでしょうか？　餌を持ってる人間を見つけると、 （写真・上から２番目） のように手を上げて挨拶してくれます。

　２本足で立つ動物と言えば、なんといってもレッサーパンダの風太が有名なんですが、クマだって負けておりません。というか、クマのほうが立ちます。普通によく立ちます。ごく普通に立ってるので、あまり話題にも上らないんですが、直立するクマたんはですね、めっちゃ短足なところがカワイイ〜♪　しかしまあ、なんとも自然な立ち姿ですよね。あまりにも自然なので、ちょっと不自然に見えてしまうほどなんですが、このクマ、本物ですか？　中にヒトが入ったりしていませんか？

　先ほどのクマはとりあえずただ立ってみただけで、その後の進展があまり期待出来ないヤツだったんですが、中には （写真・下から２枚目） のように直立した上に、おねだりするクマたんだっております。　こういうポーズをされちゃったら、もう餌を投げるしかありませんよね。　「芸は身を助ける」 という人間社会のことわざはクマの世界でも通用するようで、芸達者なヤツほど自然と餌を投げてもらえる確率が高くなるので、食うには困りません。　…とまあ、僕は単純にそのように思っていたんですが、必ずしもそうとは言えないようです。　せっかくヒトにアピールして餌を投げて貰ったというのに、それを取り損ねるヤツが少なくないんですよね。　手で受け止めようとして弾いて下に落として、横でぼーっとしていたクマに横取りされたりしております。　中にはキャッチのうまい奴もいて、投げられた餌をダイレクトにお口でパクっと咥えたりするんですが、その瞬間を見事にカメラでキャッチ♪　…と思っていたら、後からみたらどれもこれも見事に被写体ブレしておりました。シャッター速度 1/40秒とかだと、ぜんぜん駄目です。　クマ、図体デカい割に、意外と敏捷なんですなー。

　ということで、最後もクマ。　クマはわりと普通に２足直立したりするんですが、無論、４本足で歩き回っている奴もいます。そのほうがクマらしくて、見ているほうとしても自然です。　で、中には （写真・いちばん下） のように仰向けになって寝転がっている奴もいるんですが、この体位はクマとしてはちょっとどうか？…という気もします。　しかも股、開けすぎです。　幸い、全身が毛で覆われているからいいようなものの、でなければ股間にモザイクを入れないと公開出来なくなっちゃいそうです。　で、コイツ、姿勢だけでも笑いが取れるのに、その上に愛想もよくて手を上げてアピールしてくるので、観客の間での人気は抜群でありまして、さかんに餌を投げ付けられておりました。　が、コイツ、餌を取るのがめっちゃ下手クソなんですよね。　上げたほうの手で取ろうとはするんですが、ことごとく弾いてしまって、で、この体勢だから下に落ちたのを拾いにいくことも出来ず、せっかく投げて貰った餌はことごとく他のクマに横取りされておりました。　せっかく他のクマには真似の出来ない独創的な芸を身に付けて、しかも思いきり恥ずかしい姿まで晒しているというのに、にも関わらず収穫はゼロ。不憫でありますなぁ。。。　とまあそんなことで、クマは以上です。