【タイトル】

いい旅夢気分・桑名編（３）

【所 在 地】

三重県・桑名市他

【アクセス

（前回までのあらすじ）男は「なが餅」をバッタモン扱いし、四日市市民の怒りを 買った。

【ガ イ ド

　安永餅を食べた２人は八間通りを歩いています。八間通りにはマンホールの蓋が あります。この観光ガイドの扉に使ってるヤツね。男は早速、自分の知識をひけらかし はじめます。

　「あ、幸江ちゃん見てください。このマンホールの蓋。ここ桑名は…。」

　「シラウオなんかもとれるんですよねっ。」

　この女、これしか言うことないんか！と思ったら、「白魚幸江」って名前だった んですね。今、テキトーに思いついたんだけど。だからこのテレビ出演を期に少しでも 名前を売っておこうと必至なの。

　「シラウオと言えば白魚さん、ここ桑名は鋳物の産地としても有名で…。」

　「あっ、オッサン、これ見てくださいよ。」

　男のほうは名前を決めてなかったので、白魚幸江はむっちゃ失礼な呼び方をしま す。

　「マンホールの蓋がカラーになってるぅ。ここ桑名は鋳物の産地としても有名な んですよね。全国のマンホールの蓋の７割はここ桑名で作られているんですよぉ。」

　それ、俺が今から言おうとした台詞やん！男はたちまち不機嫌になります。この アマ、絶対に許さん。イジメてやるぅ。ゲタ箱の上履き、隠してやるぅ。って俺は小学 生かいっ。びしっ。いや、一人ツッコミしてる場合じゃないな。なんとか威厳を取り戻 さないと。豆ぇ？それはインゲン。言ってる場合じゃねーって。男の心は乱れます。だ いたいこの企画、３回も連載するかぁ？やってられねえって。スキーガイドは志賀高原 ばかりやし。とりあえずメシ、メシ。というわけで、ふたりは「しまや」といううどん 屋に入ります。

　「え？うどんなの？」

　当然、魚重楼でハマグリのフルコースだと思っていた男はあからさまに不満顔。

　「桑名といえばやっぱり…。」

　「シラウオですよねっ。」

　そんなわけで女は「歌行燈」というのを食べます。釜あげうどんとゴハンとてん ぷらのセットみたいなの。ハマグリ食いたかった男はすっかりスネて、

　「かけうどんでいいですっ。」

　本当にもう、おとなげないんだから。と、白魚幸江は呆れ顔。仕事とはいえ、な んでこんなオッサンと一緒に旅しなければならないんだか…。とりあえずウドン、ウド ン。

　ウドン食ったふたりは七里の渡しへと向かいます。

　「なんにもないですねぇ。」

　あきれたふたりは六華苑へ行きます。

　「ここ六華苑はコンドルが設計したんですね。コンドルと言えば…」

　「飛んでいきますねぇ。」

　話がかみ合わないふたりはお互いに、「もう、この人とは別れよう。」と思いは じめていました。この企画も今回限りやな。と、作者も思いはじめていました。でもま だ８行くらいあるしぃ。しかたない。ドラえもんにチャンネル変えよう！

　「助けて、ドラえも〜ん。」

　「中革ヘルメット！これをかぶれば誰でも中革派になれるんだ！って、なりたか ねーよ、そんなもん。」

　ガラの悪いドラえもんですね。教育上好ましくない。元に戻しましょう。あ、焼 きハマグリ食べてますね。どうやら男があまりにゴネるのでスタッフが根負けしたらし い。

　「あれ？ハマグリってこんなんだったっけ？」

　念願のハマグリのはずが、男はなぜか浮かぬ顔。

　「確かこう、甘くてちっちゃくて、殻をむいて、手が黒くなる…」

　「それは甘栗！」

　というわけで、このどうしようもなくつまらない番組、今回でおしまい。

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