【タイトル】

島田は暇だった（１）

【所 在 地】

静岡県島田市・吉田町他

【アクセス】

　今回から先週仕事で行った静岡県島田市周辺を２回シリーズで紹介します。会社 を９時に出発しました。うちの会社はですね、名古屋の丸の内です。市役所や県庁、名 古屋城のちょっと南です。晴れた日には窓から金のシャチホコがくっきりと…、見えま せんな。だいたいウチの会社って窓あるのか？先週はボイラーが爆発したそうです。２ 時頃に会社へ帰ったら、みんな防寒服着て仕事してんの。一瞬、借金がかさんでついに 暖房とめられたか？と思いました。で、会社を９時に出発し、東名の吉田インターに１ ２時に到着しました。

【ガ イ ド】

　くっきりナマで丸見えやん！吉田インターに着いた時の第一印象です。いや、富 士山が。多感な年頃のおじさんはカンドーしました。富士山ってホントに富士山のカタ チしてるんですねぇ。当たり前やけど。

　　当たり前の　ことがうれしい　お年頃

　もうじき３０。今回の仕事は富士写真フィルム吉田南工場というところなんだけ ど、ただの普通の工場でした。「写るンです」が万引きしほうだい、ということもなか ったし。「構内撮影禁止」だって。フィルム会社がそんなことでどうする。もっと自社 製品の売り上げ増進に積極的になりなさいね。というわけで、こっそりと撮影してきま した。コダックで。

　「吉田町は大井川河口西岸に位置し、牧之原台地が西北より町の中央に突出して いるほかは、町域の９０％以上が標高２０ｍ未満の平坦地なんだよね。」

　お、誰かと思ったら「いい旅夢気分」のおっさんではないか。この知識ひけらか し好きのおっさん、昨日ホテルで吉田町に関するサイトを検索し、書いてあったそのま んまをしゃべっているのだ。カラーザウルスを携帯電話につなげてネットしちゃったり するのだ。うんちくの為ならいかなる努力も惜しまないのである。しゃべりながら、ち らっと手に持った消しゴムに目をやるのは、そんなところにカンペをはさんでるんです ね。中学生かい。

　「ねえねえ、牧之原さん。」

　お、連れの女は桑名編の白魚幸江じゃないな。あんなおっさん、もうイヤ！と幸 江のほうが逃げたか、もっと素直な女がいいとおっさんがゴネたか。

　「ここ吉田町と言えば…」

　「大井川河口西岸に位置し、牧之原台地が西北より町の中央に突出しているほか は、町域の９０％以上が標高２０ｍ未満の平坦地なんですよねー。」

　どうやらこの女も同じサイトを見てきたようですね。誰でも考えることは同じや なー。しゃべりながらおっさんの背中をちらちら見るのは、そんなところにカンペを張 ってるからです。お互いカンニングに必死でまったく同じ事をしゃべっていることに気 がつかず、波風もたたず、番組は平穏にすぎていきます。ただ視聴者だけが、なーに２ 人で同じことしゃべっとるねん、とツッコミいれてます。

　「牧之原さん、大井川と言えば…」

　「箱根八里は馬でも越すが、ですね。」

　お、この女、デキるやん。ツーと言えばカーやん。おっさんは嬉しくなります。 それにひきかえ、この前の女。なーにがシラウオですねっ、や。えーかげんにせい。こ のおっさん、まだ根にもってます。しつこい性格ですね。

　「そう、箱根八里は馬でも越すが、」

　「越すに越されぬ神田川！」

　なんでやねん！この女、マジか。ギャグのつもりだろうか。それとも天然？やは りここは「なんでやねん！」とツッこむべきだろうか、それとも「ははは。それを言う なら大井川ですよ。」と軽く受けながすのがオトナの態度というものか。おっさんの心 は乱れます。えーい、とりあえず歌っちまえ。

　「あなたはもう忘れたかしらー、赤い手ぬぐいマフラーにして…。」

　「やだ、おっさん。それ神田川じゃないですかぁ。それを言うなら、越すに越さ れぬ大井川！」

　おめーが言うたんじゃあ！おっさん、ついにキレかかります。

　出す予定のなかった２人の登場で、この番組、まだ続きます。

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