【タイトル】

島田は暇だった（４）

【所 在 地】

静岡県島田市・吉田町他

【アクセス】

（前回までのあらすじ）サバ男はマイクロメーターを手に勇躍店に戻ったが、彼を 待っていたのは３６８００円のお勘定だった。

【ガ イ ド】

このコーナー、桑名とはなんの関係もなくなってきましたね。そんなことでいいの か。我が故郷を広く全国に紹介するという高邁なる主張はどこへいったのか。しっかり しろ、サバ男！そんなわけで「島田はヒマだった」完結編。１５分ごとに湯を吹き上げ るのか？それは間欠泉。静脈の一部分に静脈血が異常にたまることがない関西人なのか ？それは鬱血せん。

「なあ、たまに鬱血したりせえへん？」

「そうやなあ。そんなに鬱血せんなあ。」

とか。いいことだ、健康で。そんなわけで島田＆吉田には１週間ほど滞在しました 。いや、発電機の燃料配管・冷却水配管・試運転の様子を「みんな、しっかり働けよ！ 」なんて思いながら横で見ている係なんですけどね。途中に１日だけなーんもすること のない日がありました。よーし、御前崎までドライブ行っちゃえ。で、行ってきました がな。胸に「工事責任者」というバッジつけて。なんて無責任な工事責任者や。

「あっ、サナエさん。先に行って下さい。」

「えっ、どうしてなんですか？」

「ここは御前崎ですよぉ。だから、お前、先。なんつって。ははははは。」

なんてつまらん！牧之原サナエは思いました。それはそうだ。書いている本人も心 の底からつまらんと思うもん。だいたい、なんでアンタに「お前」呼ばわりされなイケ ンのよ。憲法は守らなければいけないですね。なぜなら、違憲はイケンよって、あ、ワ タシも結構つまらんこと考えてるわ。

「サナエさん、ここ御前崎と言えば灯台。灯台と言えば…」

「東京大学ですねって、それは東大やがな。ぎゃはははは。」

あかん、この女、壊れてるぅ。ちょっとヤケになってるのかも知れん。でも実は、 サバ男のほうも同じ事を言おうとしてたんですね。先をこされて男はすっかり不機嫌に なります。すぐ不機嫌になるもんな、このおっさん。でも俺はオトナなんだ。こんなこ とで不機嫌になったりするのはオトナゲないんだ。そうなんだ。男は必死で心の安定を 計ろうとします。そこに、ここ御前崎で灯台を守り続けて２５年というおじさんが偶然 に通りかかります。

「おみゃーさんたち、こげなところでなんばしよっとね。」

いや、書いている本人が静岡弁をよく知らんもんで、かなりテキトーです。偶然に 通りかかったというのはもちろんウソで、昨日からちゃんとリハーサルなんかもしてお ります。目がちょっと腫れているのは、おじさんテレビに出るのが嬉しくてよく眠れな かったのだ。雨が降るといけないので軒先に「てるてる坊主」もつるしたのだ。おやつ も３００円分買ってきたのだ！

「あれ、おじさんは？」

「うにゃ。ワシはこの灯台を守り続けて３年と８ヶ月いう立派なおじさんじゃ。」

２５年じゃなかったのか？だいたい自分で立派なおじさん言うな。

「でもある日、ちょっとぼーっとしておってのう。夜になっても灯台のあかりをつ けるのを忘れておってのう。そしたら貨物船が座礁してのう。」

おじさんは遠い目をしてそんなことを言います。

「２１の時じゃった。すぐにクビになってのう。それでグレてのう。バイク盗んで のう、房総半島を暴走して…」

あかんやん！全然立派ちゃうやん！言うてることもつまらんし。

「房総半島を暴走。基本ですよねぇ。」

なぜかサバ男はいたく感動したようです。自分と同レベルで思わず意気投合したの か。

「そしたら道で遊んでいたコドモ撥ねてのう、酒飲んでたもんで恐くなって逃げて のう、そのまま飛行機ハイジャックして北朝鮮へ…」

無茶苦茶である。このおじさんの悪行はどこまで続くのか？完結させるつもりだっ たけどオチを思いつかないので、とりあえずこの話、次回に続く（かも知れない）。

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