【タイトル】
オーストラリアは冬だった（今までありがとうの完結編）
【所 在 地】
南のほう
【アクセス】（前回までのあらすじ）
ゴールドコーストのショッピングセンターでホットサンドを食べた。
【ガ イ ド】
　さ、いよいよオーストラリアの最終回です。途中で「志摩ぴょん」が出てきたあ たりから意味不明状態に陥り、都々逸が趣味の「みかりん」も１度だけ登場したりして 、もう「さっぱわや」でしたねー。最終回と言っても「おろしや国紀行」みたいな「人 生って何？」と深く考えさせられるようなものが書けるわけもなく（人生経験が違いま す。）いつもどおりに思いついたことを適当に「うだうだ」と並べてまいります。んじ ゃ、よろしく。
　
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　オーストラリア特製「これはアイスコーヒーとちゃって、アイスクリームコーヒ ーやろが！」を飲んで（食べて？）すっかり喉の渇きが悪化した私は、金髪姉ちゃんの 「さんきゅー♪」を後に、まっとうな飲み物を探す旅へと出発しました。おっと、ショ ッピングセンターの出口付近にアイスクリーム屋発見！アイスクリームはどうでもいい けど、フローズンというのが目にとまりました。海星高校の教師（顔がコンパクト）？ それはイルズン。よく生徒の間では「イルズンがいるずん。」なんて言われてましたね 。顔がコンパクトだから、通称「コンパクト・イルズン」。そのまんまやがな。で、フ ローズンというのは「かき氷の溶けかけたもの」、というか「ジュースを中途半端に凍 らせたもの」、もしくは「かき氷に大量にジュースをぶっかけたもの」といった様相を しめした食べ物、というか飲み物です。「たこやき屋、焼きそば、フランクフルトやソ フトクリームも売っとるでぇ。」といった感じのテイクアウトのお店で「コーラ」や「 メロンソーダ」のフローズン購入することができます。で、オーストラリアのアイスク リーム屋（ハーゲンダッツみたいな感じのところ）のフローズンは２種類。黄色いのと 青いのと。今までの人生経験において、「青い色の飲み物、食い物にうまいものはない 。」という事実は皆様よくご存じのとおりです。ゴレンジャーの間でも「アオレンジャ ーは食べ物の趣味が悪い。」とウラで陰口をたたかれているらしいです。「ミドレンジ ャーは名前の趣味が悪い。」とも。いくらなんでもミドレンジャーはないやろ、みたい な。お祭りでテキ屋さんが販売しているアイスボール（紙コップに入ったかき氷）には 青色の「ブルーハワイ」なんてのがありますが、ただ甘ったるいだけで「せんじに青色 つけただけやん！」とコドモの間でもたいへん不評でありました。そんなわけで青いの はパス。店のお姉さんに黄色いほう（トロピカルなんとかという名前だったと思う。） を注文しました。サイズはＳＭＬの３種類。「外国のＬサイズちゅうのはハンパやなく 大きい。」というもっぱらの評判なのでＬはやめて、かといってＳでは想像以上に少な かった場合、ショックのあまりショッカーになってしまっても困るので、いかにも日本 人らしい「中庸精神」を発揮して、
「黄色いほう、真ん中サイズ、プリーズ。」
と注文しても通じないのがオーストラリア。本屋さんで「ジャパニーズ・フレーズ ・ブック」買って、もっと日本語ベンキョーしなさいね、引っ越しのサカイ。しかたな く英語で、
「トロピカル、ミドルサイズ、プリーズ。」
ちゃんと通じました。ミドルサイズは思ってたほど大きくなく、日本人の感覚でも 「ま、ミドルだな。」と納得がいく程度のミドルサイズでありました。味のほうは・・ ・。うーん、もうちっと普通の「オレンジ味」を想像してたのですが、ちょっと南方系 果物の味がしますな。何するの！あんたなんか・・・・よ！それはケダモノ。広島のピ ッチャー？それはペルドモ。ま、「トロピカル」なんだから、それはそうなんだろうけ どね。でも、とってもよく冷えていて、トロピカルフルーツ特有の「ヘンな味」が希薄 になっていて、とってもオイシー。でもどういうわけだか、フローズンって普通のかき 氷よりも「つめたい」んですよね。食べ進むうちに舌が「じーん」と麻痺してきて、胃 の中が「ずーん」と冷えてきて、コメカミのあたりが「きーん」と。やりたくないなー 、「フローズンの大食い早食い選手権。」というくらい頭にきます。頭にきた私は再び 海へ。「ムカツイたら海」はいつの時代にも基本であります。
　
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　さて、今から思えばサーファーズ・パラダイスで昼飯を食べた段階でホテル方面 へ引き返せばよかったんです。ホテルのあるブロードビーチからサーファーズパラダイ スまでは歩いて１時間くらい。よっぽど暇で物好きな人でないと歩いてはこないみたい で、ショッピングセンターの本屋で遭遇した「津営業所の浮いた若者３人組・バンジー トリオ」にも、「歩いてくるやて、信じられん！」なんて言われてしまいました。「イ ナバさん、むちゃするからぁ。」とも。バンジーするアンタらのほうがムチャや。死ぬ ほど恐いめぇして、おまけに４５００円もぼったくられるんだぞ。ほとんど「豪州カツ アゲ恐喝団」やん！それはそうと塩サバ物産創立５０周年記念、倒産直前ヤケのオース トラリア・ツアーに参加している現役女子高生「千石イエ子」ちゃん（仮名）も、ホテ ルから１人で歩いてサーファーズ・パラダイスまで買い物に来ていたそうです。さすが にメゲて、帰りはタクシーで帰ったそうですが。現役女子高生をしてもなん、熊本はお てもやん、名古屋はなごやん。いわんや中年おじさんをや。あ、「なごやん」というの は名古屋の銘菓です。しかしこの日の中年おじさんは、「なんとしてもゴールドコース トの海岸を端から端まで歩いちゃる！」という野望に燃えておりました。燃える男、塩 サバ１号、燃えすぎて焦げすぎぃ。みたいな。サカナの焦げはガンのものらしいから要 注意です。さて、さらにホテルと反対方向にまで歩くこと１時間。ついにビーチがなく なって、高層ホテルの群れの終焉が確認できるところまで到着いたしました。で、完走 （走ったわけじゃないけど。）した感想。
「思ったほど面白くなかった！」
　
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　いや、帰り道はもっとつまらんかったですな。足がくたくたで、
　
　　　砂浜に　足をとられて　コケにけり
　
と、思わず１句詠んでしまうような状態。やむを得ず、ビーチから１本内側に入っ た普通の道路を歩くことにしました。ゴールドコーストもこのへん（メインビーチ付近 ）になるとリゾートマンションばっかりで、観光客もほとんど歩いておりません。１時 間ほどでようやくサーファーズ・パラダイスにまで戻ってまいりました。「この２時間 は今回のオーストラリア旅行の中でも最も実りのない２時間であったな。」ということ をしみじみと感じさせる、とっても楽しいハイキングでした。るんるん♪で、繁華街ま で戻ってきて、ほっとしたのもつかの間、板の張った部屋は板の間、テレビがあるのは お茶の間、掛け軸がかかっているのは床の間、シマシマのウマはシマウマ、こっからホ テルまでが遠かった。しかも、この頃からはばかりながらわたくし、尿意を催してまい りました。塩サバくん、ピンチ！アメリカの南北戦争は「シヴィル・ウォー」、我慢出 来ない尿意は「ちびるよぉ。」ンなこと言うとる場合とちゃうって！と、私は必死でト イレを探しました。ゴールドコーストでおしっこちびったとあっては行く先々、「ゴー ルドコーストおしっこちびり男」として郷土の英雄になってしまうこと必至。そういう 事態だけは避けねばなりません。そういえば突然思い出しましたが、私がコドモの頃に は「集団登校」というのをしておりまして。で、ある日、「なんか、モチのにおいがす るやん。」なんて近所のコドモに言われ、「モチ食ってきたやろ！」なんて追及され、 それからしばらく「モチ！」と呼ばれていじめられました。モチ、食ってへんねん！冤 罪やねん！ということを、この場をお借りして当時の近所のガキどもに申しあげたいと 、かように存じております。（だいたい、なんでモチ食っていじめられなアカンのか・ ・・。）
　
　えーと、尿意の話でしたね。みんな、出先で尿意を催した場合はどうしてるかい ？いざという時に備えて「マイしびん」を持ち歩いている、という人が大多数でしょう が、生憎、たまたま携行するのを忘れちゃった場合。パチンコ屋やコンビニを利用する 、というのが多いでしょうね。あと、汚いのを我慢すれば公園のトイレ。ところが、オ ーストラリア。あまりコンビニとか見あたらないんですよねー。豪州人が「ゼン・ボー ル」（「禅ボール」ね）と呼んで、ジャパニーズ「悟り」の象徴だと思っているらしい パチンコ屋も皆無。僕、いったいどうすればいいの？と人生を悲観しながらうつむいて 小雨が降り始めたゴールドコーストの街を歩いていると、おっとぉ、公園発見！やれや れ。もうこれで安心。「ちびりオトコ」の汚名だけは免れましたな。と思って喜び勇ん で中に入っていくと、おっとぉ、トイレがないなんアンド・オンリー・ラブ！以後、約 １時間、迫りくる尿意と格闘しながらトイレを探しまくりました。
「そんなん、どっかで立ちションすればええやん。」
なんて思う人もいるでしょうが、外国での安易な立ちションは危険です。現場をそ の筋のニンゲンに目撃されあらぬ誤解を与え、我が貞操が危機に瀕するといった恐れも あるし、外国には立ちション者は発見次第、直ちに射殺してもよいいう「立ちション撲 滅法、座ってせえや。」などとというワケのわからん法律があるやも知れません。それ でなくても私はすでにこの国で「大罪」を犯してしまっております。ゴールドコースト の公園にはトイレがないんですが、そのかわりにあちこちで見かけたのが「屋外調理器 具」。電気コンロみたいなものが設置してあって、どうやらここで「焼肉」とか焼いて みんなで食べるらしいです。お金いるのかな？と思って観察してみましたが、コイン入 れるところもないし、どうもタダで勝手に使ってもいいみたいです。なんて太っ腹！試 しに「調理開始時にはこのボタンを押してね♪」というような事が英語で書いてあると 判断してもあながち間違いではないな、と思われるボタンを押してみたところ、ボタン の横のランプが赤く点灯し、どうやらスイッチが入った模様です。なるほど。「電磁調 理器」といった気の効いたものではなくて、中で電熱線が赤くなってとっても肉が焼け る！といった単純なものらしいです。充分に納得がいったので、もういいや、と思って 消そうとしたんですが、どうにも消しかたがわからん。点火する時に押したスイッチを もう一度押してみたんですが、ぜんぜん消えない。かと言って他にスイッチらしきもの も見あたらないしぃ。５分ほど悩んでましたが、意を決して現地人の隙を窺ってそのま ま逃げてまいりました。
　
　そんなわけで「立ちション」問題。立ちションしてるところをおまわりさんに発 見され、その場で射殺されるのだけは免れたものの署に連行されて、その捜査段階で過 去の「火ぃつけ逃げ疑惑」が浮かびあがるという最悪の事態も考えられます。そんなわ け尿意を堪え忍ぶこと約１時間強、ホテル近くの大きな公園でようやく公衆トイレを発 見して事なきを得たブロードビーチの午後４時過ぎでありました。
　
　　　　　※
　
　さて、翌日。いよいよオーストラリアも最終日です。この日もなーんの予定もな し。さすがに「砂浜歩き」には懲りたし（筋肉痛でアシが痛い・・・）、ショッピング といってもそれほど欲しいモンはないし、本日は朝からお天気もよろしく、冬とは言え 、ぽかぽかと暖かいし。よし、今日こそは「例の計画」を実施しよう！実はとある塩サ バ読者さまとこんな約束をしていたのでありました。
「是非、冬のオーストラリアでは海に入ってきてくださいね。」
言った本人、覚えてないかも知れんけど、オトコたるもの約束は守らなければなら ないしぃ。ということを「走れメロス」から教えられたしぃ。でも、地元のモノ好きな サーファーがウエットスーツ着て波にのまれているのが散見されるだけで、泳いでいる ようなアホは見当たらず、海に入る勇気と希望が今ひとつ心の底から沸き上がってきま せんでした。そのまま今日までずるずると来てしまったんですが、いよいよラストチャ ンスです。せめて足だけでも海に浸さなければ申しわけがたたん・・・。意を決して短 パンでホテルを出て海岸に向かい、靴を脱いでビーチを歩いてみました。足の裏に細か な砂の感触が気持ちイイ。そのまま波打ち際まで歩いていくと、おお、意外と水は温か いやん！しばらく膝まで水につかって、ひとり波とたわむれる日本男児、今年で３０！ という、ハタから見ればずいぶんと「問題アリ」な光景を展開していると、同じように 波とたわむれていた１人の少女が私のほうに近付いてきて、何やら一言。一瞬、「どこ の現地人が声かけてきたんや？」と思ってきょとんとしていると、はっきりした日本語 で、
「１人できたん？」
よく見ると、それは現役女子高生、千石イエ子（仮名）ちゃんでありました。こう して私はスクール水着を着た現役女子高生とオーストラリアの海で２人きりで泳ぐ（実 はオヤジもついてきてたけど、無視。）という至福の時を過ごしたのでありました。
　
　いや、今まで長々と書いてまいりましたが、結局言いたかったのはこれだけです 。じゃ、さいなら。
　
　　　（完）

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