絶対合格！塩サバがゆく（東京編その３）

【タイトル】: 絶対合格！塩サバがゆく（東京編その３）
【所在地】: 東京都
【アクセス】: （前回までのあらすじ）約３０分の電話攻撃の末、浅草橋にある「ホテル・マーキュリー」に空室を確保した。
【ガイド】: 　東京かぁ。やっぱりいいですねぇ。くしくも昨日、「新宿ＶＩＢＹナイト～下仁田な夜をあなたと」ということで新宿へ行っておったわけなんですが、その殺到する人の多さに圧倒されて卒倒し、甘納豆食べて骨董屋を覗いてあ～ん、もっとぉ♪というような、わけのわからん情況だったわけでございます。ここのところ、ずーっと宮川村に通ってたからなぁ。村内を１時間くらい車で走っていている間、歩いている人に遭遇するのは２人か３人だけ、というような世界ですからねぇ。タヌキは来るわ、サルは山を走りまわっているわ、道路の真ん中をわけのわからん小動物が横断していくわ、「日本オオカミを発見したら知らせてくれ。」なんて張り紙は張ってあるわで、たまに人があるいているのを見たりすると、びっくりして轢き殺しそうになってしまうほどです。そんなわけで、昨日１日で宮川村１３０年分くらいの人間を見たような気がいたしました。もし、このエッセイのタイトルのように一歩間違えて「絶対合格！」していたりしたら、学生時代を東京で過ごしていたのかも知れないんですよね。そのまま東京の某大学の物性研究所などに就職して、奥さん相手にレーザー売ってたかも知れんのですよね。うーん、しみじみ人生って不思議なものだと思います。; 　; 　さ、話は１２年程さかのぼって、塩サバくん１７歳のころ。いよいよ１７歳ですねぇ。英語で言うとセブンティ。って、そりゃ７０歳やがな。７０歳の頃まで塩通が続いているといいですね。ニコニコ・ゲートボールオフとかやって養命酒を飲みながら、昔のぉ、関サバ師匠というのがおってのぉ。掲示板に「やあ、みんな！実りの秋だね、おこめだね！」なんて書き込みをしてのぉ。なんて昔話で盛り上がるわけです。そこでサミーさんが「ねぇ、師匠。私、４０年前から疑問に思っていたんだけどぉ、“おこめ ”ってな～に？」なんて永遠のギャル口調で質問するわけですな。う～ん、なんて下仁田な夜！そんな僕ももうすぐサーティ・ワン。アイスクリームの似合う年頃ねっ♪さて、１７歳の僕は浅草橋の駅前に降り立ったわけです。しかし浅草橋というのは今ひとつ超若者感覚に欠けるきらいがございますな。駅前のメインストリートなんか、その名もゆかし「江戸通り」だし。天津甘栗や古雑誌の露店が出ている、人形問屋や象牙屋さんの多い街でございました。象牙屋さんって生臭いような、なんか独特の臭いがするんですよね。やっぱ、店先に腐りかけの象とかが安置してあるんでしょうかね。１２年たった今でも浅草橋というとあの臭いを思い出します。そういえば昨日オフ会を開いてもらったタイ料理「チャンパー」の名刺には象の絵が書いてあったなぁ。そんな街並みを眺めながら徒歩２分でホテル・マーキュリーを発見。八百屋の店先でカッパ巻きに使う野菜を発見？それは「まあ！キューリ。」わざわざ「まあ！」と感嘆するほどのことでもないとは思いますが。「あら、こーんなところに牛肉がぁ♪」よりはマシですけどね。アンタがスーパーで買って冷蔵庫に入れたんやろ！みたいな。もう、奥さんったら物忘れがひどすぎぃ。; 　; 　で、ホテル・マーキュリー。この建物がまたうすっぺらくて、間口が５メートルくらいしかないんですね。もうほとんど２年前まではただのビルとビルの隙間やったやろ！みたいなところに無理やりに建っているのであります。実際、建物は新しくてとっても綺麗でありました。すっかり満足した私は部屋に荷物を置くと、日本大学の農獣医学部へ試験会場の下見に行くことにしました。農獣医学部と言っても、獣医さんになって診察室でカワイイ若いニャンコちゃんの服を脱がせたりするのぉ♪なんていう野望を抱いていたわけではなく、だいたいネコの服を脱がせていったい何が面白いのか。おじさんはセーラー服とかわりと好きなタイプなんだけどぉ、セーラー服着たミケ猫とかにはあまりソソられません。そういえば昔、学ランを着て「なめんなよ！」とか言っている猫、通称「ナメ猫」というのが流行ったことがありましたが、今思うとこの「ナメ猫」というネーミングもなんだか・・・。というような話題は不健全な方向に発展してしまう恐れがあるのでやめておきましょう。; 　それにしても「バ○ー犬」ねた、鰈さんや昆布青年にまで不評だったとは！サ○ ーさん、ベラとベムの句が好きだったとは！いやあ、人は見かけによらないものですなぁ、関サバ師匠。さて、日大の農獣医学部。私の受験する農芸化学科がこの部に属していたわけなのでございます。とにかく「化学のオニ」と呼ばれていた私は「化学」と名前がついていれば何でもよかったわけでして。だって、クレンザーにサンポールをかけて遊んでたコドモなんだもん。おそらく塩素が発生していたと思うんだけど、そんなことはお構いなしなんだもん。そのくせ、アルコールランプにマッチで火をつけるのが苦手だったりするんですが、これはやはりコドモ時代に家が燃えたことがトラウマになっていたのではないかと。そんなわけで農獣医学部。キャンパスは三軒茶屋でございます。浅草橋から三軒茶屋まではちょっと不便でしたな。確か中央線で代々木に出て山手線で渋谷に行き、そこで東急の新玉川線に乗り換えるのではなかったかと。思いっきり方向音痴のケがある私でしたが、どうせ歌もヘタだよぉ。おまけにここ１０年くらいジャズしか聴いてないから、歌も知らんよぉ。リバーサイドホテルと加山雄三しか歌えねえよぉ。と人生を拗ねながらも、なんとか三軒茶屋の駅に到着しました。ここからは大学の入試案内に書いてあった地図だけが頼りです。この地図がですね、目印として「キンカン本舗の看板」とか「豆腐屋」とか書いてあって、そんなローカルなこと言われてもぉ。という状態だったわけなんです。最初これを見た時、「笑いをとりにきたのか？」と思ったくらい。しかし実際に歩いてみるとこの地図は実によく出来ていて、少しも迷うことなく無事に大学に到着することができました。地図に「豆腐屋」と書いてあるところにホントに豆腐屋があるのを発見した時には、思わず感動してしまったほどです。結局、大学は門が閉まっていて中には入れなかったんですが、豆腐屋を見れただけでも充分に満足のいく下見でございました。; 　; 　爽やかな気分で浅草橋に戻り、コンビニでテレビガイドとサンドイッチとメロンサワーを購入。メロンサワーというのはアレです。ヤクルトを大きくしたような樹脂系の容器に入っていて口がアルミで蓋してあって、ストローを「ぷすっ」とさして「ちゅうぅぅ」と吸う飲み物。あれが３連パックになっているヤツです。当時からオトナだった私はあれが好きでして、飲み物と言えばこれしかない！みたいな感じで。そういえば最近あまり飲んでおりませんが、今でもまだ売っているんでしょうかねぇ。ホテルに戻ってメロンサワーを「ちゅうぅぅ」と吸いながらテレビをつけると、ちょうど「おーい！はに丸」をやっておりました。当時からオトナだった私はこれが好きでして、テレビと言えばこれしかない！みたいな感じで。ところがすぐに「はにゃあ！」と言って終わってしまったので、しかたなくチャンネルを変えると「クイズ笑って許して！」というのをやっていたので何気なく眺めておりました。見ているうちに、どうもこれはどっかで見たことがあるなぁと。再放送らしいから別に不思議ではないんですが、当時からテレビといえば「はに丸」くらいしか見てなかった私にしてはちょっと珍しいことです。しばらく見ているうちに、ふっと思い出しました。; 「あ、これ、高知で見たヤツやん！」; そうなんです。約１年前、受験のために泊まっていた高知のホテルで見たのと同じテレビ番組を再放送でやっていたと。おお、なんたる偶然。これぞ神のおぼしめしに違いない。神のお恵みに感謝！なんてお祈りのひとつでもしておけばもしかして合格していたのかも知れませんが、当時の私は若かった。へぇ。なんて、ちょっと不思議な感じがしただけで感謝の気持ちを抱くこともなく、しばらくテレビを見ているうちに腹が減ってきたので、欲望のおもむくままにホテル内のレストランへと向かったのでありました。さ、ここで私は何を食べたでしょう？先週の原稿を真面目に読んでいた人なら「中華料理であるだろう」ということは見当がつくと思います。; 　; Ａ：トリのカラアゲ; Ｂ：チンジャオロース; Ｃ：中華風ハンバーグ; 　; ということで、正解は来週でぇす。ではまた。; 　; 　　　　　（つづく）; 　

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