【タイトル】
『純情少年・東京へゆく（陽和中学校修学旅行・最終回）』
　東京。それは憧れの地であります。ほら、僕たち桑名みたいな大都会に住んでる から、自然に憧れるところってあるじゃん？やっぱりさあ、東京あたりだと空気もおい しいだろうし、車もあんまり走ってないだろうし、オオクワガタなんかも捕れるだろう し、夜になれば蛍が舞ったりして、口にふくむと舌の上でトロトロ〜ってなっちゃうの ぉ♪って、その「まったり」じゃないんだけどさぁ。ほら、桑名あたりだとさぁ、動物 っていっても隣の多度町でサルが出るとか、長島町ではイタチが徘徊しているとか、そ の程度だからさぁ。たまにガラガラヘビがいたりするけど、それは長島の熱帯植物園の 蛇コーナーから逃げ出したヤツだから例外中の例外なんだよねぇ。普段、出るっていっ たらせいぜいアオダイショウぐらいなんだけどぉ、東京の近くの湘南あたりじゃ若大将 が出るっていうじゃん？そういう大自然ってホントいいよねぇ。だから僕たち陽和中学 校の生徒一同は修学旅行で東京へ行くのをとっても楽しみにしてたんだ。
 
　さて、ここで唐突ながら「ウコンねた」です。「ウンコでた」ではありません。 それは便秘と人にとっては思わず「うんこでたぁ♪」と報告したくなるような快事には 違いありませんが、ここはそのようなことを論ずる場ではございません。そういえばウ チの隣には３姉妹が住んでおるのですが、昔はよく「おかあさん、うんちでたぁ♪」と いう喜びに満ち溢れた声が聞こえてきたものです。最近、その声があまり聞こえてこな くなったので、「うんちでたぁ♪ということを、近所に聞こえるような大声でいちいち 報告する必要はない。」ということを悟ってしまうほどオトナになっちゃったというこ とでしょう。おじさんはちょっぴり寂しいです。さて、なぜここでいきなり「ウコンね た」かと申しますとですね、前にもどこかで書いたと思いますが、この修学旅行のとき 、東京の旅館で「幻の猿人バーゴンを追え！」とかいうテレビ番組を見たわけです。こ の話はおそらく「宮川村の奥地に幻の根菜類ヤーコンを追え！」という話題へと発展し ていったと思うのですが、その件に関してサバフグくんからこのようなメールが届いて おります。「ｊａｚｚ　ｇｉａｎｔ」のネタにしようかと思ってたんですが、ちょうど 今回の観光ガイドはあんまり書くことがなさそうだから、ここで紹介しておきましょう 。
 
> どうも、お久しぶりです。
 
あ、どうも。
 
> だいぶ前に宮川名物(？)ヤーコンの話題がありましたよね。
 
はい、ありました。
 
> その時にウコンの話題もあったと思うんですけど、私の家の近くにウコン畑がで きたので写真を送ります。
 
はあ。それはどうもご丁寧に。
 
> 実は３、４ヶ月前からあったんですけど、こんなくだらねー事にフィルム使うの もいやだったのでなかなか写真送れませんでしたが、このたびデジカメを購入し、見事 撮影に成功しました。
 
それはよかったですねー。
 
> ３週間ぐらい前まで小さいままだったのですが、最近になって急激に成長し始め ました。かなり怪しいです。きっとこの植物には何か秘密があるはずです。恐らくこれ は軍の宇宙人培養施設ではないでしょうか。私の考えでは、あの葉っぱの下に宇宙人が 埋まっているのではないかと思います（添付イラスト参照）。恐らくリトルグレイです 。グレイが生まれるまでの間、あの葉が光合成を行って地中のグレイに養分を送ってい るのです！！
 
いや、たぶん葉っぱの下には芋みたいなものが埋まっているんでしょう。
 
> また、普通の家の様に見せかけた建造物が畑の隣に建っていますが、あれも恐ら くモニタールーム兼研究所ではないかと思われます。その証拠に仕事の帰りにその建造 物の前を通ると、窓から怪しげな光が漏れています。一見したところ蛍光灯の光のよう ですが、あれはＵＦＯの動力部が発する光だと思われます。
 
いや、たぶん蛍光灯の光でしょう。
 
> 軍の秘密施設を撮影してしまった私がいつまで無事に居られるかはわかりません が、今後もグレイの成長に変化があれば報告していくつもりです。また、この施設の近 くに「ウコン普及センター」という施設も存在します。撮影に成功したらまた報告しま す。
 
どうぞ、気のすむまで。
 
> 写真の解説です。（写真１）全景写真です。どうです？あやしいでしょ？あの１ 本１本の下にグレイがいます。
 
（写真２）　アップでとったのですが、失敗です。もう少し接近してとりたかった のですが、監視員らしき人が近くにいたので、接近できませんでした。白いラベルには 「春ウコン」と書かれています。「春リトルグレイ」です。きっと夏バージョン、秋バ ージョンもあるのでしょう。
 
はあ。あるのかも知れませんね。以上「ウコンねた」おしまい。なんでもいいけど 、ノリが悪いぞ、塩サバ１号！
 
　さ、修学旅行のお話。ここまでの旅程をおさわりしておきましょう。なでなで。 いや〜ん、そんなとこぉ♪あ、間違えました。「おさわり」じゃなくて「おさらい」で した。「おさらい」から「どぶさらい」「ひとさらい」「ものもらい」「ものわらい」 「かっぱらい」「桜木ルイ」方面へと話題を展開することも可能ですが、今日はやめと きます。あ、隣家の３姉妹のうちの１人が泣いておりますな。さっきまでは「入ってく るぅ、入ってくるぅ、入ってくるぅ♪」と、なんだかよくわかりませんが元気に騒いで いたんですけどね。あ、上の娘（だと思う）に「うるさいっ！」と怒鳴られ、ますます 激しく泣いております。と思ったら、泣きやみました。わりと、あっさりした性格のム スメのようです。さて、旅程の復習。
 
１日目：桑名発、名古屋より「こだま」にて東京へ。そこでバスに乗り換え日光へ 。華厳の滝と中禅寺湖見学。
２日目：東照宮見学。
 
というところまで話が進んでいたわけです。で、東照宮の見学を終えた一行はバス に乗って東京に戻るというスケジュールが組まれていたわけです。戻ってきました。ま ずは皇居の見学。天皇のお住まいですな。天皇陛下というのはたいへんエライものでご ざいまして、ただ住んでるだけで修学旅行生は押し寄せてくるは、ただ誕生しただけで その日は祝日になるは、それはもぉ、大変なものです。そんなわけで皇居をありがたく 拝謁させていただいたのでありますが、やはり職員室に生徒の母親が竹ヤリ持って乱入 して先生を脅して捕まって、アフタヌーンショーとウィークエンダーで全国のさらし物 になった我が陽和中学校のこと。日頃の悪事千万が天皇陛下の逆鱗に触れたのか、私達 一行が謁見を開始した途端に大粒の雨が降りだし、それはやがてヒョウとなって我々を 襲うのでありました。ヒョウが降ってきた時に人間が口にする言葉というのは決まって おります。「ひょ〜！」これしかありません。ごく希に、奇をてらって「ち〜た〜！」 とかワケのわからんことをほざく輩が出没したりしますが、あまりにもワケがわからん のでたいていは無視されます。人間、素直がイチバン。そのことを如実に示す事例とし て興味深いです。ということで皇居見学、おしまい。どうも日光へ行くというプランは その往復に多大なる時間をとられ、せわしたないのでございます。さて、その日に我々 が宿泊することになっていたのは文京区にある旅館で、どういう字だかは忘れましたが 「ちょうようかん」というところでございました。釜山港へ帰れ？それはチョー・ヨン ピル。惜しいんだけどねぇ。「ちょう・よ」までは合ってるんだけどねぇ。あ、正確に は「ちょうようかん・本家」というところでございました。どういう字だったかなぁ？ 超羊羹本家？ちょっと違うかなぁ。とにかくまあ、この老朽木造２階建、火ぃ出したら 焼死者大多数というところに泊まったんですが、夕食のおかずはジャンボ餃子でした。 せっかくの思い出の修学旅行の夕食だというのにジャンボ餃子を出すあたり、この旅館 のシェフの並々ならぬセンスを感じずにはいられません。デカかったっす。全長１５セ ンチほどあったのではないかと。なんせ、お１人様１個限りだったもんね。ま、２個も いらんけどね、あんなもの。
 
　で、３日目が最終日。昼まで東京都内の名所旧跡等を散策して、昼から新幹線で 帰るというプラントなっておりました。で、この日の見学ルートが「国会議事堂」「東 京タワー」「上野公園」。完璧っす！もぉ、これだけ見ておけば、あなたも私も東京通 。やるじゃん！というくらい立派なプランです。ナウでやんぐなギャルにもバカウケっ て感じぃ？まずは国会議事堂。まったく記憶にございません。次、東京タワー。やっぱ り東京へ来たら東京タワーっす。３３３メートルもあるっす。南京玉すだれでも超有名 っす。
南京玉すだれって、どんなもの作るんだっけ？と考えてみたとき、えーと、まず東 京タワーがあってぇ、それから東京タワーがあってぇ、最後に東京タワーっ！と、結局 、東京タワーしか思いつかないくらい南京玉すだれと東京タワーは堅い絆で結ばれてい るといえます。１回くらいやっちゃってるかも知れません。あ〜ん、玉すだれの玉がい いのぉ♪とか。馬鹿なこと言ってんじゃありません、タワーちゃん。で、東京タワー。 １５０メートルのところに一般展望室があって、２５０メートルのところには特別展望 室というのがございます。私はちょっぴり高所恐怖症気味なので低いほうだけで勘弁し てもらいました。高いところって怖いですよねー。だから飛び降り自殺というのは死ん でもやりたくないですねー。はい、ラストは上野公園。ここはいいです。西郷さんがい ます。忠犬ハチ公もいます。干し首もあります。カバもいます。我々はここで各班に別 れて班行動をとることになりました。班行動というのは具体的にはどういう行動をとる のかと言うとですね、まず最初に不忍池でボートに乗ったね。突然の夏の雨に驚いたね 。いや〜ん、服が濡れちゃった〜♪じゃ、どこかで休もうか？というような行動をとる のが一般的なんですが、残念ながら私達の班は男ばっかりでした。男ばっかりで、いや 〜ん、服が濡れちゃった〜♪もクソもないわけです。そのまま濡れた服を着て肺炎にで もなっちゃいなさいね。と言いたいだけです。そこで我々の班が考えた行動というのは 以下のようなものでございました。
 
　　動物園見学→水族館見学。以上。
 
上野動物園といえばパンダです。いました。えーと、パンダの名前はなんていいま したっけ？リンリンとランラン？違うなー。チンチン？そんな放送禁止な名前じゃなく ってぇ。ボボ？九州の動物園じゃないんだから、そんな名前はつけんでしょう。ルンル ン？それは花の子だしぃ。ランランとカンカン？なんか、そんなような名前でしたね。 あとから来たのがホアンホアンでしたっけ？とにかくまあ、パンダを見て、楽しく過ご しました。以上。
 
　　　　　（完）

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